WBC5試合すべて視聴率40%超でTBS&テレ朝安堵
2023年3月24日
「驚異的な数字です。想像以上、大谷サマサマですよ」
TBS関係者のセリフである。
WBCの日本代表が5大会連続の準決勝進出を決めた16日のイタリア戦のテレビ中継視聴率が関東地区で48.0%を記録
(ビデオリサーチ調べ=平均世帯視聴率)。歴代大会のトップをマークしたこの試合を担当したのはテレビ朝日だったが、TBSが2試合を中継した1次ラウンド4試合もすべて40%超えの快進撃とあって、「米マイアミで行われる準決勝(日本時間
21日の朝8時開始)はうちの担当。朝の試合とはいえ、どこまで数字が伸びるのか。大団円といきたいですね」と、
笑いが止まらない様子である。
今回のWBCの放映権料は20億円とも30億円ともいわれている。2006年の第1回大会の3倍前後に跳ね上がったそうで、
当初は民放各局が中継に二の足を踏んだ。NHK、日本テレビ、フジテレビ、テレビ東京は早々と撤退。結局、テレビは
TBSとテレビ朝日が独占中継し、そこへ参戦したネットメディアのアマゾンプライムと負担を分け合う形に
なった経緯がある。
元NHKスポーツプロデューサーの杉山茂氏がこう言う。
「昨秋の時点では、WBCがこれほど盛り上がるとは誰も思っていなかった。民放は赤字覚悟で放映権獲得に名乗りを
上げた形でした。TBSとテレビ朝日にとって大きかったのは、大会前の宮崎合宿からダルビッシュの一挙手一投足をNHKを
含めたテレビ各局と活字メディアが大々的に取り上げたことです。大谷が合流してからは、スポーツ報道は大谷一色。
大会を中継する2局にとっては、とてつもなく大きな宣伝効果となりました。昨年はサッカーのカタールW杯で日本中が
森保ジャパンに熱狂した。その流れが続いたことも大きい」
昨年のW杯では、日本戦を含めた全試合を生配信したネットメディアのABEMAが大きな話題を呼んだ。ABEMAの発表に
よると、日本代表の8強入りが懸かったクロアチア戦の視聴者数は2300万人超。これはNHKが中継した日本代表初戦の
ドイツ戦の視聴者数に肉薄する数字で、業界内外に大きな衝撃を与えた。だが、今回のアマゾンプライムはそれほど
大きな話題とならず、「そういう意味でもテレビ局の経営陣は胸をなでおろしたことでしょう」とは前出の杉山氏だ。
もっとも、今回の侍ジャパン人気は大谷ひとりにオンブにダッコというのが実情。次回、大谷が出場しなければ、
侍人気は一気に冷え込むかもしれませんね。そんなことがないように大人が頑張りましょう