「アメ横」飲食店7割が外国人経営…中国系多く 老舗の鮮魚店は激減
2024年6月16日
年末には数十万人もの人々が集まるアメ横商店街が大変貌を遂げています。
昔ながらの鮮魚店などは数えるほどで、最近は多国籍化した飲食店が急増しています。
一体、何が起きているのでしょうか。
“飲食店7割”が外国人経営
東京のJR上野駅からJR御徒町駅までの高架沿いに、およそ500メートル続く「アメ横商店街」。
400ほどの店が軒を連ね、連日多くの人でにぎわう人気スポットですが、
ここ数年である変化が起きています。
それが店舗の多国籍化。様々な国の飲食店が立ち並ぶエリアとなっているのです。
中でも多いのが中国系の店です。
豚足や鳥の丸焼きなど、本格的な中華料理を売っている店「串串香屋」では、
台湾からの観光客がひと休み中です。
台湾からの観光客
「観光で日本に来ましたが、中華料理が恋しくなって食べにきました。味は本場とそっくりです」
串串香屋 店員
「アメ横だったら外国人の方も多いし、日本人のお客さんだけではないから(商売は)やりやすい。
中国だけじゃなくてベトナムとかミャンマー、タイとかフィリピンの方はよく買ってくれる」
アメ横商店街の副会長を務め、33年間、革製品を販売している千葉速人さん(69)によりますと、
飲食店はここ数年で急増したといいます。
アメ横商店街連合会 千葉副会長
「十数年前にケバブ屋が初めてできて、珍しいなと思ったんですけど。
今から5~6年前に急に増えた。今、飲食店がだいたい400店舗中おそらく50店舗ぐらい。
昔はほぼなかった」
およそ50の飲食店の中で、外国人が経営する店は35店舗と7割にも及びます。
■鮮魚店30店舗→5店舗 背景に…
増加する飲食店とは対照的に、減っているのが鮮魚店や乾物店。
正月用の食材をを求め、多くの人でごった返すアメ横の光景は、
年末の風物詩と言えるものでしたが…。
千葉副会長
「(昔は)ほぼ鮮魚店だったんで、ここだけでも20店舗くらい。今は5店舗」
10年前、30店舗ほどあった鮮魚店は、今では5店舗にまで激減。
その背景にあるのが「後継者不足」と「新型コロナの影響」です。
持丸水産 持丸健康代表取締役
「コロナになる前に10店舗以上あって、コロナになってから一気に。
継ぐ人もいないし、この機会だからやめちゃおうみたいな」
こうして、物件が空くとすぐさま外国人が借りるようになり、
現在の多国籍な飲食店街に変わっていったといいます。
持丸代表取締役
「(勢いは)本当にすごいです。空いた場所にすぐ入ってきちゃうんで」
■昔ながらの物販店にも目を向けてほしい
アメ横では店舗だけでなく、客層も変化。
5年ほど前から外国人観光客が増え始め、今では、およそ7割にも及ぶといいます。
イスラエルからの観光客
「いい場所ですね。果物や肉、魚などいい食材であふれています」
メキシコからの観光客
「お店がたくさんあって、興味深いものが、たくさん売っています」
生魚に馴染みのない外国人観光客が増えたことで、経営を続けている鮮魚店の売り上げも減少傾向に。そのため対応策を検討中だといいます。
持丸代表取締役
「魚以外でもやろうかなと考えている。商品を焼いたりとか、食べ歩きみたいな感じにして」
戦後の闇市をルーツに、昭和、平成、令和と、時代とともに、その姿を変えてきたアメ横。
千葉さんは変化を受け入れつつも、アメ横らしさを残す昔ながらの物販店にも
目を向けてほしいと話します。
千葉副会長
「飲食店は欠かせなくなってるんで、それはそれでね。ただやっぱり物販の街アメ横としては、
飲んで食べて観光もいいですけど、中(ガード下)に入って見てほしい。
車以外、何でも売ってる街なんです。要は宝物さがしで、
『なんとなく欲しい』と見に来ていただくとやっぱり見つかるんです」
年末の風物詩もと思いますがこれが時代の流れですかね。
大阪の黒門はどうなっているのか気になります。