妊娠すると「シミ」「ほくろ」「イボ」が増える!? 産婦人科医に理由を聞いてみた結果
2024年6月10日
5月30日、お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさんが、所属事務所を通じて第1子妊娠を発表しました。
バービーさんは、妊娠後の自身の変化について、「妊娠してから、今まで美容に費やしたお金は
なんだったんだと思うほどに顔や体にはシミ・イボが大量発生」としつつ、
「それでも、生まれてくる赤ちゃんのことを思えば何のこれしき」と喜びのコメントを寄せています。
これについて、ネット上では「シミ増えるの分かる~」「私は顔にほくろが増えました」
「シミ濃くなってびっくりした」「なんで妊娠中にイボが増えるの?」など、体験談や疑問の声が多く聞かれます。妊娠中にシミ、イボ、ほくろ、そばかすなどが増えることがあるのはなぜなのか、
神谷町WGレディースクリニック(東京都港区)院長で産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。
妊娠時に増加するホルモンが原因
Q.妊娠中に「シミ」「イボ」「ほくろ」「そばかす」などが増えたり、
濃くなったりすることがあるのは事実ですか。
尾西さん「事実です。妊娠すると、それに伴い増加する黄体ホルモンにより、
色素を作り出す細胞である『メラノサイト』が刺激され、シミやほくろ、そばかすができやすくなります。
さらに、妊娠中は『副腎皮質刺激ホルモン』の増加によってメラノサイトが刺激されるため、
乳輪や外陰部などの肌の色が濃くなります。
ホルモンバランスの乱れによって現れるシミを指す『肝斑(かんぱん)』のうち、
妊娠に伴って増えるものは『妊娠性肝斑』と呼ばれます。妊娠性肝斑は、口の周囲や額、
頬骨にできやすい特徴があります。
また、胸にできやすいのがイボです。通常のウイルス性のイボではなく、
脂肪が増えやすくなったり、ホルモンバランスに変化があったりすることが原因でできる
良性の腫瘤(しゅりゅう)です」
Q.妊娠中、シミやほくろなどが特に増えやすい女性の特徴は。
尾西さん「先述のように、妊娠時に増加するホルモンが原因でシミやほくろが増えますが、
非妊娠時と同様に、日光などの紫外線にさらされると増加しやすい傾向にあります。
メラノサイトが過剰に刺激されるからです。そのため、紫外線対策を行っていない妊婦の場合、
特に増えやすくなると考えられます」
Q.妊娠中にできたシミやほくろは、産後に「消える」のですか。
尾西さん「妊娠中にできたシミやそばかす(雀卵班)は、産後に薄くなる傾向にありますが、
ほくろは産後もなかなか消えないことが多いです」
Q.妊娠中、シミやほくろがなるべくできないようにするための方法、また消えない場合の対処法とは。
尾西さん「妊娠中も、美白効果のある化粧品などを地道に使用することで、
少しでもメラニンの生成を抑えることが大切です。
また、メラノサイトを刺激しないよう、しっかりと日焼け止めを塗ることも推奨されます。
シミやほくろが消えない場合は、ハイドロキノンやレチノイン酸といった美白効果の強い薬やレーザーを
使用する治療もあります。ただし、妊娠中は胎児への影響の危険性があるため、レチノイン酸は使用できません。
また、ハイドロキノンは、胎児への影響は報告されていませんが、肌への刺激が強いため、
妊娠で敏感になっている肌への使用は注意が必要です。
また、産後にレーザー治療などを受ける場合は、授乳が終わる頃を目安にしましょう。
授乳中もホルモン変化があるため、一度治療を行っても、シミや肝斑が再発する可能性があるためです。
産後は、授乳などにより体内の水分や栄養など、肌の再生に必要な成分が奪われてしまいがちです。
水分とタンパク質に加え、葉酸などタンパク質の生成に必要な栄養もしっかりと補給しましょう」
女性には大変な悩みですね。最近は男性も気にする時代に。。。。。