「小1の壁対策なるか 」朝7時半から校庭開放した三鷹市「子どもの居場所づくり」開始から半年で見えた成果と課題
2024年4月10日
子どもの小学校入学に伴い、共働き家庭に立ちはだかる「小1の壁」。最近では、放課後だけでなく朝の子どもの
居場所の問題も注目されており、全国各地の小学校で開門時間を早め校庭を開放する取り組みが進められています。
子どもが小学生になると保育園のときよりも家を出る時間が遅くなるため、親の勤務時間や勤務形態の見直しが
必要になったり、親の出勤時間に合わせて子どもが朝早く家を出て、校門の前で待たなければならないことが
問題となっています。
その解決策のひとつとして、この春から大阪府豊中市ではすべての市立小学校で午前7時から校門を開放する
取り組みが始まりました。
ここからは質疑応答です
朝の校庭開放の概要
三鷹市には市立小学校が15校あります。そのすべての学校で朝7時半に校門を開門し、児童の
みなさんに校門の中で安全に過ごしていただくというのがまず第一のねらいです。
それに伴い校庭を開放していますので、子ども達がある一定の遊びができる仕組みにして、体力作りにも
使ってもらえるようにしています。
春休みや夏休みなど長期休業期間を除いた平日の朝7時半から1時間程度の開放で、各校2人ずつ三鷹市の
シルバー人材センターの方にお願いして、子ども達を見守っていただいています。
校庭開放の経緯
昨年6月の市議会で、3名の議員の方から小1の壁や体力作りなどに関連して「朝の時間に校庭は
使えないのでしょうか」という質問が出まして、それを受けて市の方で実施することになりました。
議会が3か月に1回あるのですが、6月の質問を受けて、9月に補正予算を出して11月1日に開始となりました。
多くの子ども達が校門前で待っていたのでしょうか
門のところで10人前後が待っていたかなと思います。ただ、これまで校門を開ける時間は学校によって
異なりました。以前から朝早くに開門していた学校もあります。子ども達はバラバラに登校してくるので、
校門の前で何人待っていたのか正確にはわからない部分があります。
三鷹市は都心へ出勤される方が多く、朝早く家を出なければいけない保護者の方もいらっしゃいます。
まずはすべての市立小学校で朝7時半から校門を開き、課題解決をできることから段階的にやっていきましょう、
というスタンスで早め早めに取り組んできました。
校庭で、子どもたちはどのように過ごしているのでしょうか?
15校それぞれ状況が違いまして、遊具や遊び道具が使えたり使えなかったり、児童数が多いところでは
子どもたちの安全を考慮し、「校庭は開いているけれど遊ばないでね」というところもあります。
鉄棒など備えつけの遊具は使ってもいいというルールの学校もありますし、ボールは使えないとか備えつけの
遊具も使えないとか、細かいルールは学校の状況によってバラバラです。ただ、子どもたちの様子を見ていると、
遊具が使えなくても鬼ごっこをしていたり走り回ったり、おしゃべりしている子たちもいました。それぞれが
校庭で思い思いに時間を過ごしている、そんなイメージですね。
シルバー人材センターの方にも子ども達がどんなふうに過ごしているか記録を取っていただいているのですが、
それを見ても「走り回っている」や「鬼ごっこしていた」などの記述が多いです。校庭で遊べない学校は、
昇降口前でおしゃべりしながら待機してもらっています。
晴れの日は校庭で過ごせますが、雨の日はどうしているのでしょうか?
体育館で静かに待ってもらう学校もありますし、昇降口の内側や大きなひさしの下で待ってもらう学校もあります。雨の日に朝早く来る子どもは少ないのですが、早く来た子どもはみなさん静かに落ち着いて待機しているようです。
どれくらいの数の子どもが利用しているのでしょうか?
ある学校では7時半に来ている子が3、4人ほど。それから10~15分後に20人、30人とどんどん増えていく
イメージですね。学校によってまちまちで、雨の日など天候でも変わります。
今後は保護者のご理解やご要望、近所の方のご理解などいろいろな要素があると思いますが、このような取組が
増えればよいかと思います