和倉温泉の旅館ほぼ全て休業
2024年1月8日
能登半島地震は8日で発生から1週間を迎える。石川県七尾市の和倉温泉は「おもてなし日本一」で知られる加賀屋を
はじめ、ほぼすべての温泉旅館が休業に追い込まれた。県内屈指のブランド力を誇る観光地が試練に立たされている。
大小22の旅館が立ち並ぶ和倉温泉街では、いたるところで道路が陥没し、傾いた建物も目立つ。「プロが選ぶ
日本のホテル・旅館100選」で、行き届いたもてなしなどが評価され2年連続総合1位の加賀屋では、エントランスの
敷石がめくれ、建物外壁のコンクリートが割れて鉄筋がむき出しになった箇所もある。
七尾市で1日の発災時、加賀屋の233の客室はほぼ満室だった。全宿泊客を近くの高台の小学校に避難させ、翌日に
マイクロバスで金沢などに送り届けると、それ以後の宿泊は休止している。加賀屋は2007年の能登半島地震でも
約1か月休業した。今回の施設の損傷は、その時よりはるかに深刻だという。
「コロナ禍を乗り切ってインバウンド客が戻り、これからというときに」。張原さんは残念がった。
老舗旅館「美湾荘」でも、建物内の壁のあちこちに深い亀裂が走り、頑丈なはずのエレベーター昇降に使われる
レールが曲がるなど傷みは激しくなっている。断水のため風呂は使えない。それでも、一般客を断りつつ電気や通信の
復旧工事の作業者らに宴会用の大部屋を提供している。
企画販売部長の白髭哲さん(47)は、「インフラ復旧の加速を願い、部屋を使ってもらっている」と話しつつ、
「私たちの旅館も必ず再開する」と力を込めた。
和倉温泉旅館協同組合の宮西直樹事務局長(50)は現状について、建て替えが必要なところもあり得ると認め、
「復旧には時間がかかる」との見通しを示した。
和倉温泉旅館協同組合によると、和倉温泉の22旅館の部屋数を足し合わせると1260室に上る。
1日の地震発生時、その9割が埋まり客2000人以上がホテル内にいた。
大津波警報が発令される中、どの旅館でも避難誘導が円滑に行われ、負傷者の報告はゼロだった。加賀屋をはじめ
多くの旅館が、避難所へおにぎりや布団を提供した。避難した宿泊客に対しては、部屋に残した荷物の回収などで
きめ細かく支援した。
SNS上では、当日の宿泊者らから献身的なサービスへの感謝とともに「必ず復興して」と励ますエールが多数
寄せられている。
迅速な対応で犠牲者はいなかった模様で少し安心しましたが、復興が一日でも進むことを祈ってます。