大阪桐蔭“じつは準決勝にあった”異変
2023年7月31日
過去にも見た光景だった。
ベンチで打ちひしがれる大阪桐蔭ナインをじっと見つめる西谷浩一監督――。
大阪桐蔭が大阪大会決勝で敗れた。履正社の先発・福田幸之介を前に、3安打に抑えられての完敗だった。
「打てなかったですね。もうちょっと粘っていきたかったんですけど、チャンスを作ることも、チャンスで返すことも
できなかった。力負けです」
甲子園2度の春夏連覇を果たした指揮官、西谷監督はそう言って俯いた。
プレッシャーがあったようには見えなかった。
だが、春からのチーム作りがうまくいかず、最後まで噛み合わなかった。
全てコールド勝ちした準々決勝戦までの試合を見てもそうだ。いつものような力強いバッティングが出ない。
どこか迷走したまま決勝を終えた印象だった。
準々決勝からの3試合で違和感を覚えたのが今大会初めて接戦となった準決勝の箕面学園戦。2年生の主砲、
ラマル・ギービン・ラタナヤケが三塁守備で好プレーを見せたシーンだ。
3回表、勝ち越しを許した後の2死1、3塁というピンチでのことだった。相手4番打者の打球は三塁ファウルゾーンへの
小ライナーになり、ラマルが飛びついてグラブに収めた。一塁側ベンチだった大阪桐蔭はそこで守りの回を終えて
引き上げていくのだが、ラマルが手にしたボールを受け取る選手がマウンドにいなかったのだ。今年のチームを表す、
ひとつの象徴だったように思う。
一つになれるともしかしてですね。履正社には頑張ってほしいですね