「運動会は騒音だ」と近隣住民からクレーム 学校はどのように対応?(事前にもみじ110番)
2023年2月23日
住民トラブルの中でも解決が難しい騒音問題。なかには、小学校での子供たちの声に対するクレームが入るケースもある。こうした騒音トラブルはどのように解決すべきなのか。弁護士が実際の相談に回答する形で解説していました。
【相談】
長野市の公園で子供の遊ぶ声がうるさいと問題に。近所の小学校でも運動会の時期に、児童の声が大きいと学校側に
クレームが入ります。結果、今年はスポーツセンターで開催するそう。ただ、運動会は校庭で行なうべきで、
こういったクレームの対処法なども含め、弁護士はこのようにご意見を掲載しています。
【回答】
『環境基本法』に基づき、人の健康を保護し、生活環境保全の上で維持されることが望ましい音の基準として、
環境省告示が地域類型を3つに分け、昼間(午前6時から午後10時)と、夜間の基準値を決めています。
例えば、もっぱら住居用の地域では、昼間は55デシベル(db)以下、夜間は45db以下といった具合です。その3類型の
地域は、知事や市長が決定します。さらに、道路に面する地域は基準が緩くなります。この基準には法的拘束力は
ありませんが、騒音をめぐるトラブルの解決に当たって参考になります。
ただ、学校では子供の大声が継続することは考えられません。子供が出す音は、工場騒音のように一定しておらず、
時間帯によって変わり、普段は勉強しているのですから、平均すれば基準以下の場合が大半だと思います。
しかし、正確な音量の計測や判定は、ジス規格に沿った方法で時間区分ごとに計測したり、統計的な手法で
判定するなど、素人では難しいことです。
ところで、校庭での子供らの元気な声を聞くのは、うれしいものですが、度が過ぎると、苦痛になる人もいるでしょう。
また、学校周辺の環境変化で、学校とかかわりがない新住民からの苦情もあるはず。ある程度の苦情があれば、学校も
できる工夫は検討すべき。それこそスピーカーの設置場所や方向の変更、音量の調整などの方法があります。
他にも当該住民と交流を深め、それなりの大声等を出さざるを得ないことの理解を求めたり、時間帯を約束し、
その間の窓閉めなどを要請するなども考えられます。
住民にとって静かな街は、大切な環境ですし、子供が騒音に馴れてしまい、音や静謐に対する感性が鈍ることも心配です。不必要な大声や騒音は出さないように教育するのも、私は重要と思います。
と言われていますね。双方の歩み寄りが一番かと思います。争訟になる前であれば非弁行為に当たらない範囲で
「もみじ110番」にて事前にご相談ください