緊急事態下で東京五輪へ
2021年7月8日
東京都で新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まらず、政府は4度目の緊急事態宣言発令に追い込まれることになった。
専門家らの慎重論を押し切って6月21日で宣言を解除したばかりだっただけに、菅義偉首相の判断が問われるのは必至。政府は東京五輪を無観客で開く構えだが、緊急事態下の開催となることで、五輪への逆風が一段と強まることは
避けられそうにない。
ただ、首相は今月1日、国民の安全・安心を最優先するとして「緊急事態宣言の時は無観客もあり得る」と
明言したばかり。野党だけでなく連立を組む公明党も「無観客」を求めており、秋までにある衆院選への影響も
考慮すれば、観客を入れる選択肢はもはや取りづらいのが現実だ。
政府は都内に発令していた宣言を解除し、直ちにまん延防止等重点措置に移行した。強めの対策を講じつつ、
解除後のリバウンド(感染再拡大)のリスクをあえて冒したのは、開幕まで1カ月余りとなっていた五輪を、
観客を入れて開く可能性を追求するためだった。しかし、新規感染者数の増加は止まらず、7日には920人に達した。
政府はコロナ対策の柱と位置付けるワクチン接種でも、首相の号令の下、自治体や職域で作業の加速を促しながら、
供給が追い付かず各地で停止を招く失態を演じた。
首相が繰り返してきた「安全・安心な五輪の実現」とは国民の感覚とはかなり違うようですね