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小学校の「登校班」廃止か継続か 保護者を悩ませる、かつて好まれた「全員一律の扱い」

2024年4月12日

新年度がスタートし、新たに学校や勤務先に通う人が増える季節。1年生の保護者にとっては登校班があると
安心だが、その運営はPTAや教員の負担になっていることから廃止する動きも。保護者と子どもにとってベストな
登校手段とは。
 コロナの感染対策を機に集団登校から個別登校に切り替え、そのまま個人登校を継続する学校も増えている。
西日本のある小学校では20年度から個別登校を実施したが、事故が起きることもなく問題は見られなかったため、登校班はそのまま廃止することを決めた。同校でも以前から登校班の運営で生じる児童間、保護者間のトラブルや
教員の負担に頭を悩ませており、登校班の復活を望む声はほとんど聞かれないという。
個別登校と登校班の選択制を検討する学校もある。東京都葛飾区のある公立小学校もコロナ禍の20年度、
集団登校をやめ個別登校を始めた。翌21年12月、コロナ明けを見越して保護者向けに通学方法の希望を
アンケートで問うたところ、登校班希望者と個別登校希望者はそれぞれ約15%と拮抗し、
最多は「わからない」の回答だった。
 その後、区内の多くの小学校は個別登校の継続を決定したが、同校では学校評議員である地域住民から
登校班継続を望む強い要望があり、23年度は登校班を復活させた。
 だが校長は「登校班の長期的な継続は難しい」と予想していた。
「最大の理由は個人情報保護の観点から班名簿の取り扱いが難しくなっていること。班によっては班長となる
高学年児童の負担が目立ち、保護者同士のトラブルを仲裁するPTA役員さんも苦労していました」(校長)
同学区では児童数が毎年増加を続けており、今後も登校班を継続すれば、とりまとめ役の保護者や教員の負担は
ますます増大する可能性が高い。加えて最近は保護者のなかで個別登校を望む声が増していることも
校長は感じていた。
■「違い」前提に見直しを
 そこで24年2月、再び保護者にアンケートを実施したところ、前回とは異なり個別登校への賛成が集団登校への
それを大きく上回った。挙げられたのは「子どもや各家庭のペースで登校できる」「家から直接学校に
行ったほうが早い」「個別登校で問題はなかった」「個人情報が適切に扱われる」「近隣他校も登校班がない」
「下校はもともと個別」などの理由だ。
登校班については「一般歩行者や自転車等の通行を妨げている」「高学年の歩く速度に追いつけない低学年の子が
信号が赤になっても道を渡っていることがあり危ない」「委員や見守りをする保護者の負担が大きい」
「子どもの『自分で考える力』が育たない」などが指摘された。
他方、個別登校の経験がない1年生の保護者などからは登校班に賛成する意見もあがった。「安心感がある」
「心強い」「他学年の子と交流をもてる」「不審者対策になる」「遅刻しづらい」「個別登校は不安」などが
その理由だ。地域住民からも「登校班は50年の伝統がある」など継続を望む声が残ることから、
同校は新年度から最初の週のみ集団登校、その後は個別登校と登校班の選択制をとる計画だ。
 校長は言う。
「保護者の生活が昔とは変わり、皆さん共働きで忙しい。個別登校を望む方は今後、より増えていくだろう。
登校班は希望者で続けていただくしかない」
 学校やPTAの仕組みがつくられた時代から半世紀以上が経つ今、かつて好まれた「全員一律の扱い」が各所で
軋轢を生んでいる。「違い」を前提に仕組みを見直す必要があるだろう。
親御さんにとってはこどもが元気にしてくれたらそれで一番で負担が少しでもなくなれば一番かもしれませんね

       

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