「模範解答丸写し」試験 2600人超、幼稚園教諭免許を取得か
2025年6月30日
小田原短期大学(神奈川県)の通信教育課程で、幼稚園教諭2種免許取得に必要な単位認定試験の際に
模範解答の書き写しが認められ、2600人超が不適切な試験制度で免許を取得していたことが、関係者への取材で判明した。
十分な知識を持たない教諭が多数送り出されていた疑念があり、大学に批判が集まっている。
幼稚園教諭免許は国家資格で、文部科学省が認定する養成校で必要な単位を修得し、卒業すれば取得できる。
4年制大学卒業者が取れる1種や、短大や専門学校での養成課程を経て取得できる2種などの免許がある。
小田原短大や関係者によると、2020年度から単位取得に必要な「科目修得試験」の全てで、
教科書に当たる「学習の手引き」に書かれた質問と同じ問題が出題され、
模範解答が掲載された手引の持ち込みが許可された。
全国に14ある小田原短大の系列専門学校の学生も通信教育課程に在籍可能で、
試験で同様に模範解答の書き写しが行われていたという。
短大がホームページで公表している資料によると、23年度の免許取得者は1759人。
これに加え、札幌市や神戸市などの系列専門学校で、20~24年度に850人以上が免許を取得していた。
小田原短大では毎年、1800~2000人程度が卒業しているが、大半の卒業生は2種免許を取得しており、
試験で解答を書き写して免許を取得した学生の数は数千人に上る可能性がある。
単位認定の方法は大学や教員に裁量があり、試験への資料の持ち込みは他大学などでも一般的に行われている。
だが、2月下旬に小田原短大の調査に乗り出した文科省は「丸写しでの単位取得は不適切」だとして
3月に改善を求めて口頭で行政指導した。
小田原短大は6月19日、試験時に模範解答の持ち込みを認めない
▽手引と同じ問題は出題しない――などの対策を講じると発表した。
藤女子大の吾田富士子教授(保育学)は「書き写しによる資格取得は、幼稚園教諭だけでなく、
どの専門分野の養成校でも起こりうる。高等教育機関は公平、公正に教育・評価する仕組みを考えるべきだ」と指摘した。
模範解答の書き写しを巡っては、札幌市にある系列校の男性教員が報道機関に告発し、2月に報道されて発覚。
学校を運営する三幸学園(東京都)は5月、「内部情報を流出させた」などとして男性を懲戒解雇した。
男性は近く、解雇の無効を求める仮処分を札幌地裁に申し立てる。
小田原短大は一連の問題について、毎日新聞の取材に「必要な情報は、ホームページで掲載している。
本件にかかる訴訟を起こすとの記事があったため、これ以外の回答は差し控えさせていただく」と答えた。
このようなことがないようにしていただかないよ質の低下により子供たちに迷惑が掛かります
添削する際になぜ気付かなかったのかは不思議ですね。